ソムリエより
2009年11月29日
ワインの神様
今日はあるお客様にとても貴重で、いい経験をさせて頂きました。
それは・・・なんとラターシュ’96、ヴォーヌロマネ クロパラントゥー’86、ロマネコンティ’76 。
なかなか抜栓する機会がする少なくなってきているワインです。久しぶりに手が震えました
さて、そのワインに料理を合わせる訳ですが、
まずはアミューズでベガス(山しぎ)のパテ。
このパテにはテタンジェコレクション’92。
長い熟成を経たシャンパンは、ガス圧が弱くなりまったりとした白ワインの様なニュアンスがでてきます。そこには洋梨のコンポートやスパイス、蜂蜜の甘さや酸化熟成ともいわれるシェリーの香りが感じられます。とても贅沢な組み合わせです。
そして前菜にはなんと、フランス産トリュフを丸ごと名古屋コーチンのダシで柔らかく煮込んで、さらに下にはこれもトリュフの香りたっぷりのリゾットを添えた一皿です。
みなさまからは食べる前に香りを嗅いだだけで、感激の声が聞こえてきました。
そしてこのお料理には→ロマネコンティを。
約33年の熟成からは、複雑でさまざまな香りが・・・
印象的だったのは、湿った土の香りから→きのこの香り→そして見事なまでのトリュフの様な上品な香りまで発展していきました。感動の一言です。
そして次はというと、ちょっと分かりづらいかもしれませんが
乳飲み仔羊のロースト。名前の通りお乳しか飲んでない羊ですから、肉質がとてもやわらかく繊細な味わいです。このお料理にもフランス産のジロール茸やパイナップルをソテーしてやや甘いフルーツのエッセンスを加えてご用意しました。
ワインはクロパラントゥー’86。6時間前に抜栓した時はまだまだタンニンが残っていましたが、料理が出る頃にはしっかり香りが開いていて、ワインの神様”アンリジャイエの神髄を感じることができました。
そしてメインディッシュはというと、フランスはブレス産の鳩のロースト。
ばっちりいい焼き加減で仕上がった鳩には、やさしい甘い香りで栗を使ったり、ワインの香りに多く含まれる無花果を使ってみたり、合わないわけがないですよね・・・。
そのワインはラターシュ’96です。
ロマネコンテイとはいい意味で比較されることが多いこのラターシュですが、まさに最近よく某漫画で出てくるお花畑の香りがムンムンしました。
やはり印象として、果実味と酸、香気成分やすべての組織レベルのバランスが完璧なワインでした。いつ飲んでもDRCのワインは満足させてくれます。
本当に刺激的な一日でした。こんな美食会でしたら、月に一度はやりたいですね